セミナーのご案内 《他社主催セミナー》
【Live配信】ペロブスカイト太陽電池の開発動向と量産課題
2024-11-27
主 催 サイエンス&テクノロジー株式会社
日 時 2024年11月27日(水) 10:30~16:40
講 師 第1部:ペロブスカイト太陽電池の技術解説と特許出願状況
(株)INVENTION labo 代表取締役 田中 光利 氏 ※元富士フィルム(株)
第2部:ペロブスカイト太陽電池における塗工・乾燥のスケールアップ
AndanTEC 代表 浜本 伸夫 氏 ※元富士フイルム(株)、元サムスン電子
聴講料 55,000円(税込、資料付き)
【2名同時申し込みで1名分無料】
※2名様ともS&T会員登録をしていただいた場合に限ります。
※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
※テレワーク応援キャンペーン(1名受講)【Live配信/WEBセミナー受講限定】
1名申込みの場合:受講料 41,800円(税込)
【ZOOMによるLive配信】
・本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
【セミナー講演内容】
第1部 ペロブスカイト太陽電池の技術解説と特許出願状況
(株)INVENTION labo 代表取締役 田中 光利 氏 ※元富士フィルム(株)
<趣旨>
ペロブスカイト太陽電池は、桐蔭横浜大学宮坂先生/小島氏による2008~9年の発表が起源の技術である。塗布で生産できる事から、フレキシブルで設置場所の制約が少ない、低コスト・大面積の太陽電池システムが期待されている。基本材料として有機無機ハイブリッド(ハロゲン化鉛系半導体CH3NH3PbI3)の他に複合材料/材料のブレンド、鉛フリー(ダブルペロブスカイト他)等も研究されている。材料以外に層構成(メソポーラス構造の有無他)も大きく光電変換効率に影響する。耐久性についてはシール技術での実用化が進んでいるが、材料の改良も見られる。量産に向けて、塗布液と塗布方法の工夫が進められている。
<内容項目>
1.序
1-1 桐蔭横浜大学宮坂先生/小島氏による2008~9年の発表が起源の技術
1-2 塗布で生産可能/フレキシブル、低コスト・大面積が期待される。
1-3 第一部では、基礎的事項について、各社の特許明細書記載を元に技術解説を行う。
2.材料 2-1 有機無機ハイブリッド((ハロゲン化鉛系半導体CH3NH3PbI3)
2-2 複合材料/材料のブレンド
2-3 鉛フリー
2-3-1 ダブルペロブスカイト
2-1~3 考察
2-4 ペロブスカイトの由来[参考]
2-4-1 ロシアの鉱物学者レフ・ベロフスキーによって発見された灰チタン石に由来する
2-4-2 ペロブスカイト結晶構造は、鉱物、超伝導体、半導体レーザー等多分野で知られる
2-5 特許検索時の注意事項(結果に含まれるその他の材料)
2-5-1 発光材料としてのペロブスカイト
2-5-2 無機ペロブスカイト
2-5-3 色素増感太陽電池(結晶構造の一例として本文記載)
2-6 考察、脚色されていない情報を得るには
3.層構成
3-1 電解液を含む構成(色素増感太陽電池の流れ)
3-2 電子輸送層+メソポーラス酸化チタン層の上にペロブスカイト層(メソポーラス構造)
3-3 電子輸送層の上に直接ペロブスカイト層(平面構造n-i-p順構造)
3-4 上下逆転しホール輸送層の上にペロブスカイト層形成(平面構造p-i-n逆構造)
3-5 考察、好ましい層構成は
4.モジュール構成
4-1 単独型
4-2 Tandem型(シリコン系太陽電池との重ね合わせ)
5.光電変換効率
5-1 材料による効率改善
5-1-1 光電変換材料
5-1-2 他の材料
5-2 層構成による効率改善
5-2-1 微小漏れ電流
5-2-2 光電変換効率測定値のバラツキ
5-2-3 漏れ/バラツキを減らした構成の変換効率
5-3 照度
5-3-1 低照度/高照度で異なる例
5-4 考察 光電変換効率の推移(実施例記載より)
6.耐久性
6-1 耐光性、耐熱性、酸素/水分の影響
6-2 材料による耐久性改善
6-3 材料以外による耐久性改善
6-3-1 シール(水分、酸素などのセル内侵入防止)
6-3-2 波長選択フィルター(材料にダメージを与える光成分を除去)
6-4 集積回路の歴史からの考察(ハーメチックシール⇒樹脂モールド型)
7.コスト/量産
7-1 写真フイルム/集積回路の歴史に見られる二つのコストダウン方向
7-2 塗布液の工夫による工程数減とレオロジー応用による高速塗布
塗布の詳細は第2部へ
8.環境
8-1 鉛フリーの取り組み
8-2 他
9.特許出願状況
9-1 光電変換効率が10%を超えた2012年以降多数の出願が見られる
9-2 数では中国(CN)がトップだがその殆ど(97%)は中国国内出願のみ
9-3 外国出願を行っている特許の数では日本(JP)がトップ(51%)
9-4 ペロブスカイト材料の改善に注力している国は英国(GB)他
9-5 考察
10.特許明細書から技術を読み出すのに使用したメソッド(特許リーディング法)の説明
質疑応答
第2部 ペロブスカイト太陽電池における塗工・乾燥のスケールアップ
AndanTEC 代表 浜本 伸夫 氏 ※元富士フイルム(株)、元サムスン電子
<趣旨>
近年、光電変換効率が高くかつ薄膜のペロブスカイト太陽電池が、開発段階から量産へのスケールアップに移行しつつある。安価に大量生産し得るRoll To Roll方式が検討されており、薄膜への貧溶媒滴下による2ステップ法あるいは塗工直後の送風による1ステップ法など、塗工・乾燥をリンクした特殊な工程技術が必要とされている。
本セミナーでは、ペロブスカイト太陽電池の最近の研究動向を紹介した上で、必要な塗工・乾燥工程の要点を解説する。素材開発に携わる多くの化学を専門とする研究者にとって、スケールアップに必要な塗工・乾燥の知識を得ようとしても、数式を羅列した化学工学の書物から本質を捉えにくいとの声も多いので、本セミナーは数式を排し、計算ツールや動画を活用した実習で現象をイメージ化できるよう解説する。
<キーワード>
ペロブスカイト 太陽電池 塗工 塗布 乾燥 Roll To Roll シミュレーション スケールアップ
<得られる知識>
ペロブスカイト太陽電子のスケールアップに必要なRoll To Roll製造における塗工・乾燥の考え方、塗工設備の設計方法、各種塗工方式の違いと特徴、意点など。
<内容項目>
1.ペロブスカイト太陽電池の概要
1-1 エネルギー供給と利用の形態
1-2 日本の太陽光設備容量
1-3 太陽光発電の分類
1-4 各種太陽電池の性能変遷
1-5 ペロブスカイトの性能変遷
1-6 光電変換効率について
1-7 有機薄膜と色素増感による方式
1-8 ペロブスカイト発見の歴史
1-9 ペロブスカイトの結晶構造と特徴
1-10 分光感度の優位性
1-11 各社の開発状況
1-12 屋外での搭載状況
1-13 層構成(メソポーラス型・プラナー型・逆層プラナー型)
1-14 ラボスケールの作成方法(スピン塗工)
1-15 結晶膜の構造影響
1-16 平滑化技術((貧溶媒法)
1-17 プロセス(塗工~平滑化~乾燥)
1-18 1ステップ法と2ステップ法
1-19 塗工方式と光電変換効率
1-20 モジュール化
1-21 ドット塗工方式
1-22 Roll To Roll方式
1-23 1ステップ・メニスカス法
1-24 Peccell社の製膜実験機
1-25 実用化の3要素((変換効率・耐久性・単価)
1-26 封止セルによる耐久化
2.Roll To Rollへのスケールアップ(バー塗工)
2-1 塗工方式の分類(ダイ方式は3種類だけ)
2-2 塗工方式と各種フィルム製品
2-3 ペロブスカイトの開発段例(1ステップ・メニスカス塗布法)
2-4 薄膜を均一厚みで塗るには(バー塗工)
2-5 レベリングで消えるワイヤー跡
2-6 最新のワイヤーレス・バー
2-7 レベリングの「見える化」
2-8 レベリングの支配因子(Orchard式と百分の一減期)
2-9 量産のバー塗工
2-10 バー回転の有無
2-11 ワイヤーバー塗工量の見積り
3.乾燥方法と方式の決め方
3-1 1ステップ・メニスカス塗布における乾燥
3-2 量産工程の乾燥(Roll To Roll)
3-3 Roll To Roll工程の乾燥方式
3-4 乾燥方式と効率
3-5 乾燥ムラを抑制する液濃度
3-6 乾燥風の供給方法(並列と直列)
3-7 乾燥風の供給方法(並行流・向流・側面流)
3-8 乾燥に関わる物性値
3-9 水系の乾燥速度
3-10 塗膜の表面温度は湿球温度(空気線図)
3-11 水と他の溶媒との違い(1)蒸発潜熱
3-12 他の溶媒との違い (2)飽和蒸気圧
3-13 他の溶媒との違い(3)飽和蒸気圧と温度
3-14 物質と熱の拡散(ルイス数)
3-15 定率期間と減率期間
3-16 限界含水率と固形分濃度
3-17 乾燥中の膜内の溶媒移動
3-18 2成分系の乾燥挙動
3-19 2成分系の乾燥見積もり
3-20 共沸混合物の乾燥
3-21 一般的な構成(予熱・加熱・絶乾・冷却)
3-22 乾燥効率の支配因子(噴流)
3-23 噴流の距離と減衰
3-24 多孔板と二次元ノズル(軸対象とスリット)
3-25 多孔板と二次元ノズルの乾燥計算
3-26 風ムラ対策(遮風)
3-27 下向き塗工面による風ムラ対策(密度流)
4.スロット塗工のツボ
4-1 スロット塗工方式
4-2 薄塗りと厚塗り
4-3 薄塗り限界(スジ)
4-4 最小膜厚(Ca数との関係)
4-5 塗布可能領域(Coating Window)
4-6 より薄く(OverBite)より厚く(UnderBite)
4-7 テンションド・ウェブ方式
4-8 テンションと流体圧のバランス
4-9 Coating Window
4-10 スロットダイの設計方法
4-11 スロットギャップ偏差の影響
4-12 バップアップロールたわみ対策
4-13 シムとマニホールド
4-14 減圧チャンバー(バッファとオリフィス)
5.グラビア塗工
5-1 ダイレクト方式の液だまり(ギャップと粘度)
5-2 リブ発生条件(ダイレクトの場合)
5-3 リバースの膜転写箇所の流動
5-4 リバース方式の塗布可能領域
5-5 セルの過充填と部分充填
5-6 ドクターブレード当て角
5-7 ドクターブレード形状
5-8 端部の厚塗り対策
6.見える化から見せる化へ
6-1 塗工室の気流問題
6-2 クリーン化と換気頻度
6-3 FVM解析による気流の可視化
7.スケールアップ論
7-1 スケールアップ論
7-2 チャンピオンと金太郎飴
7-3 開発と量産のアプローチ
7-4 Roll To Rollでスケールアップするには
質疑応答